2023年10月8日から10日まで、アジアのヴィーガニズムや動物福祉(アニマルウェルフェア)のムーブメントに関する国際サミットAsia Farm Animal Day (アジア ファーム アニマル ディ/ AFAD)がマレーシアのクアラルンプールで開催されました。当法人ベジプロジェクトジャパンはご招待して頂き、サミットに参加し登壇させていただきました。

開会式の様子

AFADは、今年の7月に当法人も参加した「AVAサミット」の主催団体と、ヴィーガンや動物福祉の推進に携わる団体の連合 Asia for Animals (AfA)によって共催されました。

アジア各国を中心に世界中からの105の団体が参加し、20以上のセミナーにおいて複数の団体が自らの活動内容と知識を共有しました。ムーブメントの最新の動向を学び、国際的な協力の機会を創出するための貴重なイベントでした。

 

ベジプロジェクトの登壇について

サミット初日に、当法人は「Vegan Advocacy in Japan(日本におけるヴィーガンの推進)」という発表を行いました。

発表ではまず、当法人代表の川野陽子より当法人が京都大学の食堂にヴィーガンメニューを導入する活動から始まった経緯や、現在の企業や自治体と協業内容を紹介しました。その後、ヴィーガン認証を取得した製品を例に取り上げながら、欧米の有名なヴィーガン製品に引けをとらない製品が日本にも多数あることを紹介いたしました。その上で、各国のヴィーガンのムーブメントは単なる欧米の文化のローカライズされたものではなく、各国の強味を活かした製品や料理そして文化が、ヴィーガニズムで見つめるグローバルな課題を解決する一端を担えることを共有しました。また、日本をはじめとしたアジア各国の製造業者やそれぞれの国でのムーブメントを支援する活動の重要性を示しました。

 

代表の川野陽子が登壇している様子

 

セミナーの最後にはQ&Aセッションが行われ、アジアにおけるヴィーガンや動物福祉に関する動向や将来像に関して関心の高さをうかがわせる質問やディスカッションが続きました。

セミナー終了後もサミット開催期間中、多くの方から「日本のヴィーガン製品の詳細を知りたい」「ベジプロジェクトの活動を自分の地域で展開したい」といった声が寄せられました。

Q&Aの様子

当法人の講演は「Advocacy in Asia(アジアにおける活動)」というセッションの中で行われ、国際団体Sinergia AnimalとGlobal Food Partnersも登壇されました。この2つの団体は主に鶏のケージフリーに関する活動を紹介し、世界中で重要視されつつある動物福祉のムーブメントへの取組みを紹介されました。セッションの司会はThe Humane League Japanのカバリアマホ氏が務められました。

 

アジア地域の団体との連携を強化

サミットの間には、マレーシアをはじめに、韓国、中国、インド、ベトナムなど、多くの国々の代表者と貴重な関係を築くことができました。

また、このイベントを通じて、マレーシアにおいてヴィーガンの選択肢がレストランやホテルで豊富に提供されていること、そして同国の中でさらにヴィーガンへの関心が高まっていることを知ることができました。

例えば、登壇者として参加したシェフ・デイブ(Chef Dave)氏はインフルエンサーとしても活躍し、ヴィーガンのレシピを配信するSNSにおいて主に国内の200万以上のフォロワーを有しています。彼は、マレーシアの政府と協力し観光推進の観点からマレーシアのヴィーガン料理を推進するプロジェクトを進めています。さらに、ProVegのマレーシア支部のディレクター、ファイサル・マンソール(Faisal Mansor)氏には、マレーシアでベジタリアンやヴィーガンの選択肢を選ぶ消費者について詳しく教えていただき、ヴィーガン専門の小売店などをご案内していただきました。

 

当サミットに当法人を招待してくださいましたAfAとAVAサミットチーム、このイベントのスポンサー、そしてこの3日間にわたり当法人ベジプロジェクトと交流していただいた皆様に深く感謝しております。サミットでできた繋がりを活用しながら、日本のヴィーガン市場のさらなる成長を支え、ヴィーガン選択肢の普及を推進する取り組みを続けてまいります。