2024年12月17日、持続可能(サステナブル)なMICE開催を促進するためのイベント「Tokyo Sustainable MICE Showcase」が公益財団法人東京観光財団の主催により開催されました。

MICE(マイス)とは、企業等の会議(Meeting)、企業等が行う報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際機関・団体・学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市・イベント(Exhibition/Event)の総称で、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントを指します。世界でMICEにおける持続可能性への取組みが注目されるなか、東京都でもその対応が求められています。今回は、MICEの主催者や関連事業者に向けて、より持続可能なMICEの実現に向けたノウハウを共有するショーケースが開催されました。

サステイナブルなMICEを目指す東京観光財団主催のショーケースにてベジプロジェクト代表の川野陽子がヴィーガンについて紹介

持続可能なMICEを目指すショーケースでヴィーガン食を紹介

当法人ベジプロジェクトジャパンは、当イベントの企画段階よりサポートさせていただきました。サステナブルな取組みとして食の分野、ヴィーガン対応の重要性をシェアし続けました。ヴィーガンとは、肉、魚介類、卵、乳製品、蜂蜜といった動物に由来しない料理や物、またそのような動物由来の食事をしない人やライフスタイルを指します。事務局のご担当者様もヴィーガンに関して大変理解を示され、サステナブルなMICEの提案としてヴィーガン料理の提供やヴィーガンと地球環境に関する紹介をプログラムに組み込んでいただきました。

当法人は、今回のイベントにおけるヴィーガンの捉え方や進め方の整理にご協力し、パネルディスカッションでは当法人代表の川野陽子がパネリストとして持続可能性とヴィーガン対応の関係を紹介しました。

ヴィーガン対応が持続可能なMICEに必要な理由を紹介

当イベントでは、「主催者・事業者が本音で語る日本のサステナブルMICEの現在地」と題したパネルディスカッションが行われました。

MICEの受け入れを進める日本コンベンションサービス株式会社の松原努氏とサステナブルなイベント運営を提案する株式会社ジャパングレーラインの西崎龍一郎氏がモデレーターを務め、当法人の代表とMICEに関わる3社がパネリストとして登壇しました。

東京観光財団主催「Tokyo Sustainable MICE Showcase」のパネルディスカッションにて、川野陽子がヴィーガン対応と持続可能なMICEの関係について発表している様子

パネリストは、次の4名でした。
●イベントの企画運営を手掛ける立場より白川陽一氏(株式会社博展 サステナブル・ブランド事業部 兼 サステナビリティ推進部 部長)
●イベント開催会場の立場より柴﨑拓也氏(赤坂インターシティマネジメント株式会社 取締役 住宅推進部長 兼 施設マネジメント部長 兼 総務部担当部長)
●同じくイベント開催会場の立場より小池陽子氏(株式会社インフィールド赤坂インターシティコンファレンスのチーフマネージャー)
●サステナブルな食の観点を提案する立場より川野陽子(NPO法人ベジプロジェクトジャパン代表理事)

川野はヴィーガン対応とMICEにおける持続可能性の関係を紹介しました。ヴィーガン対応の料理が気候変動やその他の環境問題にどのように寄与するのか、フードロスの観点からもヴィーガン料理にどのようなメリットがあるのか、サーキュラーエコノミーとどう関連付けられるのか等について説明しました。

また、ヴィーガン対応メニューの重要性が世界で広く認識されつつあり、パリオリンピックやゴールデングローブ賞、アカデミー賞等といった国際的なイベントにおいても、ヴィーガン対応メニューが取り扱われる事例が増えていることも紹介しました。最後に、国内においてもヴィーガン食材の選択肢が増えつつあり、ヴィーガン対応の実践がしやすくなっていることも伝えました。実際に、ヴィーガン認証を取得している業務用のチーズ、魚、肉を模した食品や、ソース、だし等の食品、それらを使用して作ることのできるヴィーガン料理の例を示しました。

 

ヴィーガン対応をサポート、ビュッフェの7品中6品がヴィーガン料理

東京観光財団主催の「Tokyo Sustainable MICE Showcase」にて、持続可能なMICEをテーマに7品中6品がヴィーガン対応メニューとして提供されたケータリングの様子

本イベントでは、「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」、「カーボンニュートラル」、「多様性」、「コミュニティ」という4つのテーマを基に、サスティナブルなMICE開催に向けた14の具体的な行動指針が掲げられました。その中には、「フードロス削減」、「CO₂排出量の削減」、「食に関する制限への配慮」等が含まれ、会場での食事や飲料の提供においてもこれらの取組みが実践されました。

当日、会場で提供されたビュッフェは、7種類の料理のうち6種類がヴィーガン対応メニューとして提供されました。これらのメニューはヴィーガンであることに加えて、規格外野菜を活用する等、その他の点においても持続可能性に配慮された料理でした。

東京観光財団主催の「Tokyo Sustainable MICE Showcase」にて、持続可能なMICEをテーマに7品中6品がヴィーガン対応メニューとして提供されたメニューが並ぶテーブルの様子

提供されたビュッフェの料理は7品中6品がヴィーガン対応

提供されたヴィーガンメニュー

・規格外にんじんのサラダ
・マッシュルームのオープンサンド
・規格外バナナとライムのタルト
・規格外なすのデクリネゾン
・規格外さつまいもとじゃがいものテリーヌ
・代替フィッシュカツのミニバーガー

サステナブルに関連する認証としてベジタリアン認証、ヴィーガン認証も

会場では、イベントに使われる資材やオブジェ、食器等においてもサステナブルな取組みができることを紹介する展示ブースも設けられました。各社がそれぞれの商材を紹介する出展ブースに加え、パネルで表示等を紹介するコーナーもありました。サステナビリティ関連認証として、弊法人のヴィーガン認証およびベジタリアン認証も紹介されました。

サステナビリティに関連した認証マークの紹介パネル。食品に関する認証マークとしてベジプロジェクトのヴィーガン認証マーク・ベジタリアン認証マークも掲載されている

招待を受け参加された200名近い事業者様にヴィーガン対応と持続可能性に関して知っていただき、パネルトークの後にはたくさんの事業者様からヴィーガン対応に前向きな意向を頂くことができました。

日本で初めてのサステナブルなMICEを提案する貴重な機会に、ヴィーガンのテーマも大切に扱ってくださいました皆様に、心より感謝しています。主催者の公益財団法人東京観光財団、当日交流してくださった皆様、そして当法人にお声がけくださりヴィーガン対応に関して調整してくださった松原努氏はじめ日本コンベンションサービス株式会社の皆様、ありがとうございました。