多様な食文化に対応したメニュー60種類以上を目標
中部国際空港は2月3日、多様な食文化への対応を推進する新たな取組みのキックオフとなるイベントを開催しました。当法人ベジプロジェクトジャパンは、本事業にベジタリアン・ヴィーガン対応における専門家として参画しています。
これは、9月に開催される愛知・名古屋アジア大会とその後も選ばれる空港となることを目指したものです。今後、ベジタリアンやヴィーガン、ムスリム・ハラル等、さまざまな食習慣に対応したメニューを空港内で60種類以上提供することを目標に、各店舗のメニュー開発を支援していく方針です。
この日開催されたセミナーおよび試食会には、空港内62店舗からの約90名に加え、空港関係者が多数参加しました。
当イベントの告知チラシ
ベジタリアン対応・ヴィーガン対応に関する基礎知識と実践例を紹介
セミナーでは、当法人NPO法人ベジプロジェクトジャパンの代表川野陽子が登壇し、ベジタリアン・ヴィーガン対応の基本知識から、実際のメニュー開発や宣伝に役立つノウハウについて解説しました。代替肉や植物性の出汁の活用、既に仕入れている食材でヴィーガン対応ができるものを探すこと等により、より多くの人が食べられるメニューができること等を紹介しました。
この後、ムスリム・ハラル対応に関しては、一般社団法人ハラル・ジャパン協会の佐久間代表が講師を務められました。

各社のヴィーガン食材を試食できる機会を提供
続いて行われた試食会では、ヴィーガン対応食材を扱う企業として5社が商品を提供しました。会場は、多種多様なヴィーガン料理を試食しその完成度の高さに驚いたり自社への応用を模索したりする関係者で賑わいました。

あづまフーズ株式会社からは、マグロやサーモン、ネギトロ、明太子等のヴィーガン認証取得の代替商品や、ベジミート台湾ミンチを使った台湾ラーメンが提供され注目を集めました。


テーブルマーク株式会社からは、おからとこんにゃくからできたお肉のような素材を使った唐揚げやカツ、植物生まれのクロワッサン、豆乳ブレッド、豆乳クリームカップチーズケーキ、ヴィーガン認証取得のベイクドチーズケーキ等が提供されました。

ネクストミーツ株式会社からは、ヴィーガン認証取得のうの花、筑前煮、ひじき煮、チリソースが並びました。出汁にかつお、調味料に畜肉エキスが使われがちな和食のお惣菜や中華料理が全て植物由来の原材料で作られています。

株式会社かるなぁは、全て植物由来の原材料で作った味噌カツや海老、明太子ペースト、あぶり蒲焼、ハンバーグを提供しました。

コッチラボ株式会社からは、関西・大阪万博で好評だったヴィーガンのカツを使ったバーガーやサンドイッチが提供されました。

ヴィーガン対応を支える関連企業の多彩な商品展示
会場には、ヴィーガン対応の出汁や植物性チーズ、植物性ハム、調味料、ヴィーガンスイーツ等、多彩な商品の展示も行われ、試食サンプルが配布されました。

商品展示にご協力いただいた企業の皆様:
かね七㈱:ヴィーガンの出汁(毎日しあわせ こんぶ純だし)
グリーンカルチャー㈱:ヴィーガンの出汁(菜食 和風だしの素)
浜弥鰹節㈱:ヴィーガンの出汁(MAGIDASHI 植物性万能つゆ)
㈱フタバ:ヴィーガンの出汁(素材調味だし野菜, まろこん)
ハインツ日本㈱:ヴィーガンの調味料(プラントベース デミグラスソース, B・B・Q, てりやき)
六甲バター㈱:代替チーズ(QBB PLANT MADE シリーズ)
三育フーズ㈱:代替肉(ヴィーガンハム, コンベジ, 植物生まれのミートソース)
㈱ニップン:代替肉(ガパオ, 豆腐ミートのボロネーゼ), スイーツ(ガトーショコラ, ミニヴィーガンパンケーキ)
㈱松竹圓:スイーツ(米粉のスポンジ/スポンジシート, テンペナッツバー, 米粉のパルミエ)
C&G Miyazaki(合):アイスクリーム(あまおう・イビスカス ローゼル アイスクリーム / ソフトクリーム)

参加者からは、「ヴィーガンと言われなければ分からない」「おいしい」「想像以上に種類が豊富で驚いた」といった感想が多く寄せられました。実際に試食した空港店舗関係者からは、これまで抱いていたヴィーガン料理に対するイメージが大きく変わったという声も聞かれ、味だけでなく見た目や食感の完成度の高さに感心する様子が見られました。
また、今後のメニュー開発に積極的に取り入れていきたいという前向きな意見が出ました。食の多様性への対応が特別なものではなく、日常の選択肢として成立することを実感いただける機会ともなったのではないでしょうか。
空港として継続的な支援体制を構築へ
中部国際空港(セントレア)は、「目標として30店舗で食の多様性対応が行われるよう、空港として支援していきます。アジア大会のためだけでなく、その後も地域の財産やインフラとして、世界中のお客様が安心して利用できる空港を目指しています。自然と人が集まる場所となるよう、食の多様性の厚みを増やしていきたいと考えています」とコメントしました。
日本におけるヴィーガン市場拡大への一歩
ヴィーガン対応がこのように空港という公共インフラで広がっていくことは、日本における食の多様性推進の良いモデルとなり得るでしょう。国内でもヴィーガンの選択肢は増えてきていますが、まだ取り組むべき課題は多く残されています。
何のために行うのかという原点を大切にしながら、考え方や取組み方の違いを超えて協力し合い、ヴィーガン市場を広げていくことが大切です。今回の取組みは、食の多様性が充実する未来へ向けた確かな一歩となりました。