2021年9月には国連食料システムサミットが行われ、10月31日から11月12日にかけて第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)が行われている最中です。

その機会を捉え、食品の公平な価格設定に関する嘆願書Carbon Pricing for Food Coalitionによって用意されました。

これは、パリ協定を支援するためにカーボンプライシングを食品の価格に反映することを求めることに加え、健康的な食品への減税を提案するものです。

カーボンプライシングとは、日本政府も宣言している2050年までの脱炭素社の実現のために、企業や家庭に二酸化炭素の削減を促すため二酸化炭素排出量の多いものに課税すること等が検討されています。

今回の嘆願書においては肉類及び乳製品からの導入を提案しています。

これまでに私たちベジプロジェクトを含む世界中の95の企業、非営利団体などがこれに署名しています。宛先は、国連加盟国の中で肉の消費が高い50の国の国家元首、財務大臣、環境大臣、農業大臣で、この中には肉の消費が低いと思われがちな日本も含まれています。この嘆願書は上記2つの会議の前にそれぞれに送付されました。

嘆願書の主な目的は、肉類や乳製品などをはじめとする動物由来の商品の価格に、その商品が生産されるまでにかかった環境負担を反映させることにあります。

一方で、環境負荷が高い食品の値段を上げるだけでは関連する生産者や消費者への負担が懸念されます。そこで、炭素排出量の高い食品(肉類や乳製品などの動物性食品)により高い税を課し、炭素排出量の低い食品(野菜や果物などの植物性食品)の税を下げることに充当する政策提案がこの嘆願に含まれています。また、農家にサステイナブルな農業を進めるインセンティブのために充てる計画も立てられています。

Carbon Pricing for Food Coalitionは25か国の企業及び非営利活動法人からなる連合です。今回の署名には、私たちベジプロジェクトの他にも、Beyond Meatをはじめとするグローバル企業や、ProVeg International、Compassion in World Farming、The Humane Leagueなどの世界規模のベジタリアンやヴィーガンに関連する非営利団体も参加しています。